患者さんの声-20代女性-
インタビュー対応:本人
心臓の手術中に致死性不整脈が発生
心臓の手術中に致死性不整脈が発生したため、今後の治療の判断としてWCDを着用することについて先生からお話がありました。いつまた致死性不整脈が起こるかわからない状態であり、ICD植込みの可能性も考えているが、WCDを着用している3か月間に致死性不整脈が起こらなければICD植込みは行わないとのことでした。
ICD植込みについては、機械を体の中に入れること、それによって少しであっても体のラインが変わってしまうこと(自分にしかわからなくても抵抗があります)、また今後続くメンテナンスを考えるとどうしても避けたかったので、WCDを着用して何事も起こらないことを心から願いました。
ワンピースは着られない
WCDを初めて見たときは、想像していたより大きいなと思いました。ちょっと古臭い感じも(笑)
コントローラが少し重たいと感じましたが、慣れれば特に問題ありませんでした。ただ、肩からずっと下げるため首や肩が凝りました。開胸手術だったので体が落ち着くまでは自分でマッサージすることは難しかったのですが、夫が毎日マッサージしてくれましたのでだいぶ楽でした。
ベストとコントローラがコードでつながっているので、好きなワンピースが着られなかったのが少し残念でしたね。
不便に感じたのはそのくらいで、他は特にありませんでした。
「ひとりの時に倒れても大丈夫」という最後の砦感
退院初日、初めてひとりでWCD着用していた日が一番怖かったです。入院中は何かあっても先生や看護師さんがそばにいてくれる安心感がありましたが、退院したらひとりです。電気ショックが流れる非日常の装置を身につけていることが、それが自分の身を守るものであるとわかっていても、まるで爆弾を抱えている気持ちになりました。「WCDを身につけていれば意識を失っても大丈夫」と思いながらも、「いつ倒れるかわからない」「いつ電気ショックが流れるかわからない」という不安がありました。でも、無事な時間を重ねることによって、不安から安心に変わっていきました。WCDを着用することが日常になっていくことで、さらなる安心感が生まれました。WCDには「ひとりの時に倒れても大丈夫」という最後の砦感があり、精神的にとても助けられました。
幸いにも致死性不整脈は起こることなく3月の着用期間が終了しました。もちろんICDの植込みはしていません。本当に良かったです。
掲載:2021年04月30日